Report / 古賀 貴司

味わえるうちに味わっておくべし

乱暴な言い方をすると、最近の車は総じてレベルが高いです。走る、曲がる、止まる、という基本動作において、文句が出るようなものはまずありません。ほとんどの場合、値段に見合うだけの快適性を備えているし、無味無臭な雰囲気すら漂っています。そんな時代だからこそ、ちょっとクセのある個性派をピックアップしてみました。気になる車は中古車カタログや物件をチェックしてみてください。

第10位はミニ(旧型)。BMW傘下になった初代ミニは、新型ながらオリジナルのデザインコンセプトを引き継いだものです。それでいて現代に求められる快適性や実用性、そしてボディサイズを与えられました。BMWが偉かったのは、オリジナルミニに通じる乗り味をしっかり再現していることです。そういう意味においては、結構硬い足回りに仕上がっています。おそらくオーナーから指摘があって、2代目ではしなやかに改良されたのでしょう。でも面白くないのではないですか?

第9位はM・ベンツSL。まるで空飛ぶ魔法の絨毯です。とにかく路面がいかなる状態でも、フラットでスムーズな乗り味を満喫できます。特筆すべきはアクティブ・ボディ・コントロールと呼ばれる電子制御式サスペンションで、コーナリング中にその威力が最大限発揮されます。フツーの車ならボディロールが大きくなるところでも、なるべくフラットな姿勢を保とうとします。これは異次元の乗り味、と言っても言いすぎではありません。今後、どのように進化するのやら。

第8位は日産スカイライン(旧々型)。このモデルのスカイラインはボディ剛性がウリでした。なかでもNAエンジンを搭載するGT-Vと呼ばれるモデルは、ターボモデルに採用されるシャーシを採用していました。パワーは必要にして十分で、フツーのドライバーでも楽しく“振り回せる"感たっぷり。しかも高いボディ剛性のおかげで「引き締まった走りを満喫できる」と書けばなんとなく想像できるでしょうか?ターボエンジンよりパンチは少ないですが、強烈に印象的でした。

第7位はジャガーXJ-S(絶版)。リアのサスペンションが特徴的です。当時のXJシリーズとも共通で、左右ともに2本のショックアブソーバーを備えているんです。お金がかかっているし、電子制御デバイス抜きにしっとりとした乗り心地を実現しています。こんな車が味わえるのも、あと少しでしょう。程度の良い中古車は少なくなっていますから、底値安定している今、狙ってみるのはいかがでしょう?90年代初頭まで、こんなノスタルジックな内外装デザインがあったんですね。


第6位はキャデラックエルドラド(絶版)。典型的なアメ車の乗り味を満喫できます。ボディはしっかりしているのに、足回りが良くも悪くもフニャフニャしているんです。コーナーにおけるロール量は多いですが、直線の乗り心地は絶品です。これこそが当時のアメリカにおいて求められていた味で、個性でもありました。最近はグローバル市場となり、欧州車の乗り心地が“基準"となりつつあります。輸入車の個性が薄れつつある今、エルドラドは衝撃でしょう。

フォトコレクション

写真:第8位:日産スカイライン(旧々型)

第8位:日産スカイライン(旧々型)

写真:第7位:ジャガーXJ?S(絶版)

第7位:ジャガーXJ-S(絶版)

写真:第6位:キャデラックエルドラド(絶版)

第6位:キャデラックエルドラド(絶版)