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Report/西川 淳

日本への導入は今秋の予定

新型C5を、衝撃のルックスで車好きを沸かせたアッパーミドルサルーンC6の流れで見ると、違和感を覚えてしまうかもしれない。C6こそシトロエン、という思いの強い人ほど、新しいC5に“らしさ"を見いだすことが難しくなるかも。私も実はそうだ。C6のカタチに衝撃を受けて乗る前から買うぞと盛り上がりとうとう買ってしまった人間には、2代目C5のスタイルはあまりにドイツ車風で、C6の文脈などこれっぽっちも感じられない。

ついC6の文脈で見てしまうからそうなるのだ。新型C5は、C3/C4の流れにある最新デザインと見なければならない。C6は、実は古いコンセプトなのだった。もっとも、ポルトガルの真っ青な空気の下で見るC5は、明らかに世間とは異質の、だからこそ“らしい"と言っても良さそうな、そんな存在感を放っていたのだから大したものだ。

そして、とにかくでかい。M2セグメント(欧州Dセグメント)とは思えないほど。それでいて、あのアクの強い顔立ちだから、余計に特別なものに見えてくる。実際、そのディメンジョンはM・ベンツEクラスとほぼ同等であり、アッパーミドルクラスサルーン&ワゴンのセグメント論がいよいよ難しくなってきた。

日本への導入はこの秋以降となる予定だが、日本仕様に積まれるエンジンタイプは旧型同様のガソリンエンジン2種類である。つまり、2Lの直4と3LのV6。前者には4ATが、後者には6ATが組み合わされる。シトロエン好きならお気づきだろう。そう、エンジン&パワートレインは、やっぱりキャリーオーバーなのだった。これがC5最大の弱点。中身はC6とほぼ同じ。プジョー407と共通のプラットフォームであり、だからエンジンパワートレインも同様というわけ。工場も同じ仏レンヌの最新プラントだ。

C6と同じということは、もちろんシトロエンと言えばアレ、ハイドラクティブ3+を搭載する。メカサスの用意もあるが、新生プジョーシトロエンジャポンが日本市場に持ってくるかどうか。相変わらず最近のシトロエンの内装は格好いいな、と思いつつ、まずはV6仕様に乗ってみる。発進時のぐにょぐにょした動きから、ノーズのけだるいまでの重さ、微速域で優柔不断なアイシンATの制御、街中速度域における非線形なパワステフィール、そして相変わらず座りの悪いレザーシートまで、ネガティブな要素はC6と全く同じ。けれども、圧倒的に剛性(C6はピラーレス4ドア)と静粛性が優るゆえ、乗り味にちゃんと新しさがある。

クルージング域に達すると、C6のあの夢見心地なフラットライドはそのままに、しっかり感だけは増しているから、より安心して飛ばせる。スポーツモードにしても乗り心地の気持ち良さが変わらない。ひと言で言って、“しっかりとしたC6"なのだった。もっとも、適度な緩さもC6の魅力だったから、しっかりしたC6=C5が味わい深いとも一概には言えない。いずれにしてもフランス車のM2セグメントには、いかにサイズが大きくなったとはいえ、3LのV6ではエンジンが勝ちすぎているか。

2Lに乗って、その思いを強くした。パワステのフィールはリニアだし、ノーズの重たさもない。プジョー407ほど軽々しくなく、握っていてとても手応えがよろしい。ここ一番の加速こそしんどいが、凝ったデザインの速度計の針がゆったり動くのがかえって気持ちいいくらいスムーズに走れる。全体のバランスがV6モデルよりも圧倒的に優れている。4速のオートマチックが古くさいが、一定速度で走り出してしまえば、それすら忘れてしまうほど。ベロアシートの座り心地も良く(座った瞬間にわかる!)、軽快なフラットライド感が名車エグザンティアを思い出させる。シトロエンらしさを味わいたいのなら、絶対に2L!

それにしても、ガソリンエンジン&パワートレイン、もう少し何とかならないものだろうか…。

今回登場したクルマ、メーカーたち

シトロエン

強烈な個性を全面に押し出しエンスーに人気

ライバルのクルマたち

M・ベンツCクラス

デビューしたてとあってまだまだ高値

BMW3シリーズ

思いのほか値落ちしている現行モデルはお得かも

アウディA4

まだ品薄状態で中古車物件はゼロ

VWパサート

高品質な割にリーズナブルになる中古車

プジョー407

シトロエンC5の兄弟車はネコ足で勝負

フォトコレクション

写真:メッキが高級感をアピール|試乗by西川淳

メッキが高級感をアピール

ボディ下回りにメッキを用いることで、車を引き締まった印象にしている。ただ、期待よりも質実剛健な雰囲気たっぷりで、シトロエン車でよく見受けられるエキセントリックな部分が減った

写真:プラットホームはプジョーと同じ|試乗by西川淳

プラットフォームはプジョーと同じ

C5のプラットフォームには、プジョー407と同じものが使われている。ボディサイズもほぼ似たようなものになっている。ドイツ車っぽいと散々言ったが、やはり個性的なデザインではある

写真:トランク形状で個性発揮?|試乗by西川淳

トランク形状で個性発揮?

フロントやリアを見るかぎり、キレイにまとまったデザインの“フツー"な車に見える。しかし、トランクにはシトロエンらしい遊び心があった。見たこともないような形状に湾曲している

写真:ワゴンモデルもデビュー予定|試乗by西川淳

ワゴンモデルもデビュー予定

ワゴンを見ると、あらためてドイツ車っぽいデザインになっていることがわかる。良し悪しの話ではなく、それほど奇抜なものをシトロエンに期待してしまっているのだろう・・・

写真:近未来デザインここに発見|試乗by西川淳

近未来デザインここに発見

インテリアは左右対称にしたり、コックピット風味にしたり、自動車メーカーも気を使っているようだ。C5はかなり独創的な近未来感を漂わせている。嫌いじゃありません




※この記事はカーセンサー関東版9号2000年3月9日発売号に掲載されていたものをWEB用に再構成したものです
(Tester/河口 まなぶ Photo/武田 忠廣)

自由な発想でつき合える一台。見た目によらずキビキビとした走りが自慢

トヨタ bB 走り|ニューモデル試乗 トヨタ bB リアスタイル|ニューモデル試乗
↑トヨタbBは「一見ワルだけど中身はマジメ」なつくり(左)とにかくシンプル。だが薄っぺらな感じがないのがいい。存在感のあるスタイルだ(右)
 トヨタbBは「一見ワルだけど中身はマジメ」なヤツなのだ。その押し出しの強いスタイルとは裏腹に、中身は結構しっかりもんだったりするのである。ホントに。
 これまでのトヨタの開発の流れとは一線を画した、比較的自由な方法で作られた車だけに、エクステリア/インテリアはかなりガンバったことがわかる。
 まず、外観では直線的でシンプルなラインをもっているのに中身が詰まった感じがあるし、内装ではブラック一色の潔さと、簡潔なラインの組み合わせにもかかわらず独特の雰囲気を感じさせるものに仕上がっている。インパクトは十分だ。

非常にキビキビとしていながらもしっかり感のある走り

トヨタ bB インパネ|ニューモデル試乗トヨタ bB エンジン|ニューモデル試乗
↑エクステリアとのコーディネイトもバッチリな造形。このままで十分カッコいい(左)エンジンはファンカーゴ同様の1.5/1.3L直4の2種類。1.3Lでも不足はない(右)
 これら内外装は、そのままで十分に「良いじゃん! 」と思えるものだが、さらにドレスアップの素材としての魅力もいっぱい残っている。
 エンジンやシャーシはファンカーゴをベースに専用チューニングが施されたもの。この手の車は、走りに不利な高い重心をいかにクリアするかがキモなのだが、今回は乗り心地を犠牲にしてハンドリング面などに力を入れたというだけあり、非常にキビキビとしていながらもしっかり感のある走りを実現している。コーナーでのロールの仕方やステアリングの適度な重みなども、外観からは想像がつかないほど好ましい仕上がりをもっている。
 ブラックボックス(未知なる箱)をはじめ、その車名にはいろんな意味が詰まったこのbB。それだけ自由な発想でつき合うことができる。ボクらの相棒と呼ぶにピッタリの存在かもしれない。

主要諸元のグレード 1.5Z Xバージョン(2WD)
駆動方式 FF
トランスミッション 4AT
全長×全幅×全高(mm) 3845×1690×1640
ホイールベース(mm) 2500
車両重量(kg) 1040
乗車定員(人) 5
エンジン種類 直4DOHC
総排気量(cc) 1496
最高出力[ps/rpm] 110ps/6000rpm
最大トルク[kg-m/rpm] 14.6kg-m/4200rpm
10・15モード燃費(km/L) 13.0
ガソリン種類/容量(L) 無鉛レギュラー/45
車両本体価格 129.8~173.8万円

コンセプト 5点
フィニッシュ 4点
前席居住性 3点
後席居住性 3点
内装の質感 4点
取り回し 2点
操作系の使い勝手 3点
ラゲージルーム 3点
パワー感 3点
トルク感 3点
加速性能 3点
乗り心地 2点
操縦安定性 4点
高速安定性 4点
しっかり感 4点
ブレーキ性能 3点
環境対策 3点
燃費 3点
ステータス 3点
コストパフォーマンス 4点
得点合計 66/100



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