ハマー H3 V8 【追加モデル】 : 07/30
カテゴリー: アメリカ車の試乗レポート
デカイ、ウルサイ、オソイ。だけど、いいんじゃない?
↑低速トルクにモノを言わせ、ゆるりと加速していくV8はハマーにお似合い(左)約30度の勾配と20度のサイドスロープをもつ特設ステージが用意され、ハマーの能力の高さをアピール(右)
ご存じ、ハマー兄弟の末っ子H3。軍用車ベースの元祖H1は残念ながら生産中止となったが、ハマーブランド中興の祖たるH2は世界的なムーブメントを引き起こし、そのダウンサイズ版であるH3も好調のようだ。2008年モデルから日本では輸入元が変更となり、同時に右ハンドル車が導入され、7月にはV8モデル(左ハンドルのみ)も追加発売となった。実車を前にすると改めて大きいと思う。H2の90%のサイズとはいえ全幅は1995mmとほぼ2mクラス。いい意味で受け取ると迫力はハマーそのものであり、悪く言うなら日本ではそれでも大きい。ただ日本でこのクルマに興味をもつ人の大半は、ハマーらしい迫力が失われていないことを喜ぶだろう。運悪くH2と並ばない限り、日本の路上においてH3はハマーそのものである。
ただ乗り込むと印象はやや変わる。オーバーフェンダーの張り出しが大きいために全幅は2m近いのだが、カタログによれば室内幅は1290mm。同じくらいの全幅をもつランクル200は1640mm。室内幅は測り方によりけりなので、実際はその数値差ほど狭くは感じない。
ただH2のあの助手席と運転席の間に横たわる広大なスペースがない分普通な感じである。よく書けば助手席との距離が近いとなるし、悪く表現するならハマーらしさにいくぶん欠けるとなる。
「Like Nothing Else」というキャッチコピー通り、ハマーのほかにハマーなし
↑品質感はあるが少々凡庸なインパネ回り。視界は良いので思ったよりも取り回ししやすい(左)08年モデルから採用されたルームミラー格納式の補助カメラ用モニター(右)
試乗時間の関係で注目のV8モデルにはチョイ乗りしかできなかったが、結論で言うとそれでもV8モデルをオススメしたい。直5モデルで走り出してまず感じるのは「遅い」ということだ。ボーボーうるさいし、パワーもトルクも不足しているこの5気筒エンジンは、組み合わされている4速オートマも含めて古臭いとしか言いようがない。カイエンやX5など昨今のドイツ製高性能SUVがもつ俊敏さとは程遠い。低速トルクにモノを言わせてワイドレシオのオートマのトルコンスリップも使いつつ、ゆるりと加速していくV8エンジンのほうがハマーにはお似合いだ。とはいえ、H3は明らかにハマーである。ボヨヨ〜ンとした乗り心地、揺り戻しが怖いハンドリング、ポンポンうるさいことこの上ない警告音、ハイドロシトロエンのようにシューシューいうブレーキ、結線丸見えのシート下などなど、「偏差値」が高いとは言いかねるものの、それを補って余りあるオリジナルの魅力がある。隼や疾風を作った中島飛行機の残像をスバルに見出すよりも直截的に、ミリタリーモノの魅力がハマーには満ちあふれている。ハマーブランドが掲げる「Like Nothing Else」というキャッチコピーの通り、ハマーのほかにハマーなしである。























